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ライトノベルは一般小説より制約があるという件/高校生以下の主人公がほとんどなのはなぜか?

2chのまとめブログとかコメント欄とか読むとたまに一般小説に対して、ライトノベルを見下してバカにしているのがあるけど何でかな?作品によってどちらもピンからキリまであると思うのに

一般小説が偉い!っていう感じの人ほど、どこが優れているかじゃなくて、端からライトノベルは「作家が漫画や同じラノベしか読んで。自分の人生から学んだことを作品に反映していないからくだらないんだ」みたいな事を書いているのを読むと、なんか文章や頭に浮かんでこないんだけど、なんかそれは変じゃね?って気分になる。うーむ。 まともなラノベを読んでなくて、たまたま選んで読んだ最初の作品が酷かったとか、イメージだけで語っている感が。

一般小説と呼ばれるものもそんなに自分に感銘を与えたものってあるけど読書量が少ないせいかいつもそうとは限らない。まぁラノベでも少ないので同じ感じ。 一般小説だとミステリーのジャンルぐらいしかあまり読んでないからかな。 村上春樹の小説が賞賛されている理由がいまいちわからないなぁ。読みやすい文章ではあるけど、自分にはあわないというか。

そこで知り合いの方がコメントいただきました。

すの字様より
レベルが低いとは言わないけど、幅は狭いなと思います。有川浩氏が『塩の街』のあとがきで書いてましたけど、編集部からの注文で主人公やヒロインの年齢を下げてたりするんですね。(初稿ではもう1〜2歳上だった) 「ライトノベルだから」という理由で狭められてるわかりやすい例。

一般小説ならそれこそ何でもアリでしょうけど、ラノベの場合はメインターゲットの中高生にウケるような小説が基本ですからね。主人公が38歳のおっさんで、45歳の女性と恋愛するラノベとか見たことないですものw 一部のベテランを除いて、似たりよったりなものになってしまうのは仕方ないかもしれません。

ジャンルの限定という点では、作者の方にも問題が出てきます。シリーズ作品として何冊も手早く書かなければいけないという制約上、なるべく手間がかからない=脳内知識だけで何とかなるような話が多く感じられるんですよね。つまり好きなこと・知ってることしか書いてない。

私の好きな作家でアレなのですが、浅田次郎氏の歴史フィクションや、小川一水氏のSF小説などは、調査・考証具合がハンパじゃありません。巻末の参考文献見ると「卒業論文か!」と思うぐらいですw

勿論好きな分野ということもあるでしょうが、自分の知っていることだけでなく、きちんとその時々で必要なことを調べて書いている。

池袋ウエストゲートパークで有名な石田衣良氏なんかは、SF・恋愛(10台〜60台まで)・SEX・演劇・オタク・株・少年犯罪・就活・学校(教師)・風俗etc……あらゆるテーマで小説を書いている。当然のことながら自分の知識・興味外のことも多々書いているでしょう。

こういう作家がラノベでは少ないと思うんですよね。いや、そもそも書きたくても編集部に止められるんでしょうけども。その点で言うと、メディアワークス文庫は素晴らしいと思います。電撃文庫の作家に好き勝手書いてもらう為に作ったレーベルじゃないかなコレ。


たしかにジャンル的に制約がいろいろとありますね。調べる労力や時間とかけて書いたものは尊敬するなぁ。一般小説だとあらゆるテーマで書けるのはメリットだな。

電撃文庫もあるのに電撃編集部から「メディアワークス文庫」ってなんじゃらほい?と気にはなっていたけど、そういう考えなのかもしれない。まーくんや、青春男と電波女の入間先生がやたらに書いている印象。あと一般小説だったものが、表紙絵や挿絵をいれてライトノベル風にしたのがありますね。

これは1,2ヶ月前のやりとりだったのだけど、今日ネット巡回していたらラノベで大学生以上の主人公が出てこない理由について言及したツイッター書き込みがブログでアップされていたので、なるほどなぁと現状を把握。

元の発言者のツイッターURLは
https://twitter.com/#!/Fumika_Shimizu "清水文化 (Fumika_Shimizu)

まとめブログの羅列系記事のひとつ。
『R-15』自演乙バージョンOPが放送事故レベルwww  他|やらおん!

■ラノベの主人公の年齢は何故高校生以下か

Fumika_Shimizu
ラノベの主人公の年齢は何故高校生以下か。ネット散策中にそういう話題を見つけて、ふと思うことがあるので少しつぶやいてみる。

実際にラノベの主人公は高校生以下が多い。年齢的に大学生以上は少数派。それをもって「ラノベ作家が大学生以上を想像できないから」と短絡に考えている人がいるけど、それには「それはあんだだ!」とツッコミたい。

主要キャラが全員大学生以上のラノベ。もちろん存在する。私自身もラジカルでやった。でも、普通は企画が通らない。あれは高校生メインの短編があったから生まれた特殊事例だと 思ってる。

先に企画が通らないと書いた。理由は簡単。ライトノベルは中高生向けの読み物という前提がある。だから主要キャラが大学生以上だと却下される。もちろん例外もあるが、おおむね実態だ。読者層の平均年齢が24歳以上という話もあるが、あくまで中高生向けが前提だから。

企画を出す際に良く言われた言葉。「キャラの低年齢化。成長モノ、根性モノははやらない」。この制約をかけられると、天才型の万能キャラか、誰かに能力を与えられたり大きな運命を背負わされるなるなどパターンが限られる。となれば「俺強え」系やセカイ系などが増えるのは仕方ないかと。

やはりそういう編集部からの制約があるんだ。

すの字さんからまたコメントが
18歳以上がプレイするはずのエロゲでも、主人公の半分以上が高校生ですけどねw
まぁ、これは主人公の問題じゃなくて、ヒロインの方の問題なんでしょうけど。せっかくの2次元なんだから、わざわざ20代30代の女性キャラと擬似恋愛&セックスなんてしたくないだろ? 的な(笑

ツイッターのまとめは全く間違っていないけれど、それを引用するだけじゃなく、そこから一歩踏み込まなきゃ。
「では、なぜ中高生向けだと、大学生以上の企画が却下されるのか?」

それは、中学生・高校生の身分や生活が、万人にとっての「共通認識」であり、「経験したこと」であるから。
現役の中高生にとってはまさに経験している最中のことですし、9割5分以上の大人にとっても過去に経験したことだから。
大学であれば読者の何割かの人は行ってないでしょうし、仕事ともなるとその職業の人以外にはよくわからない世界。中高生にとっては全く未知の領域です。

そんな設定で物語を展開しようとした場合、ある程度状況説明しなければいけないし、感情移入できる要素も減ってしまいます。
気軽に楽しむことが"ウリ"のライトノベルの場合、その辺を簡略化し、感情移入しやすくするという意味で、中高生の主人公はうってつけなんですよね。

一歩踏み込む文章が書けませんでした俺(汗) 読者の共通体験か。ラノベはそれがメインとして読まれるだろうし。もっと思考して発展できるだろうけど、考えると時間だけが過ぎていくorz 文章になかなか出来ないのをスッと書ける人がうらやましい。

まぁライトノベルは制約があるゆえに、いかに料理するのが作家の腕の見せ所と思います。週刊少年ジャンプ、サンデー、マガジンもラノベと同じ飽きさせない工夫というか。

とはいえラノベでもっと制約がないようなのがもっとたくさん出てくればまた面白いと思うけど。実際読む層もいる20代以上向け(当然中高生も楽しめるものも有り)の、大学や社会人生活を舞台としたラノベもあると幅が更に広がると思いますね。漫画でいうところの青年誌ですね。

最近で大学を舞台にしたライトノベルといえば…
とらドラの竹宮ゆゆこ先生の作品。3巻まで出てます。恋愛青春モノで面白い。
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ゴールデンタイム〈1〉春にしてブラックアウト (電撃文庫) [文庫]
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小説 : comments (8) : trackbacks (1)

コメント

小林めぐみ先生の「食卓にビールを」は、雑誌掲載時の
1話では主役が大学生らしき描写があったのに、単行本で
高校生くらいに描写が直されてましたね。そのせいで主役が
未成年なのに飲酒したり結婚してたりと、かなり無理が出た
ような記憶があります。
by : 自爆5秒前 ... 2011/09/13 12:21
>自爆5秒前さん

「食卓にビールを」を読んだことなかったのですが、そんな変更があったのですか。
逆バージョンだとラノベじゃなくてコミックからアニメで、苺ましまろが伸恵お姉ちゃんの設定が高校生から短大生になりました。
アニメでの彼女の最初の台詞がスタッフの抵抗かw
「伊藤伸恵、ご覧の通りごく普通の16歳です。 ・・・・・・ウソです。こう見えても20歳の短大生です。」

コミック版だと高校生なのにタバコ吸ったり、バイクの免許がゴールドとか無茶で笑ったのがアニメだとNGに。
by : ういろう管理人 ... 2011/09/13 18:40
大変興味深いまとめでした。
やはり読者層を広げるという点でも、余地を残しておく必要があるのでしょうね。大多数の共通認識も、学年やクラスという枠組みを離れて独自に動きがちな大学よりも、基本全員強制参加な高校時代の方が確かに構築されやすいですね。

後個人的に思うのは、敢えて大学生にする必然性が無いという事でしょうか。
恋愛や部活(サークル)は高校生にも出来ますし。絶対に大学生しか出来ない、大学生で無ければならないというのは、相当に範囲が限定される気がします(ラノベで描く内容は尚更に)。
「じゃあ高校生で良いんじゃない?」に反論出来る余程強固な理由が無ければ、流行(或いは読者の希望)にわざわざ逆らう意味は無いのではないでしょうか。

ただ上に挙がった作品は、未成年にしてはならない必然性があるのでちょっと違う気もw
by : 名無し ... 2011/09/13 20:11
> 名無しさん
ありがとうございます。
たしかに大学生以上にする必然性が無いストーリーがラノベには多いですね。高校生や中学生にしておいても問題なしみたいな。部活でただしゃべってる話とかw
ラノベは恋愛で寸止め感もいいんですよ。一般小説だとドロドロしてるのも多いですし。直球エロシーンとか。

他の人の意見で男性層にはババアより若いヒロインの方がいいんじゃないと身も蓋もない意見がありましたw
by : ういろう管理人 ... 2011/09/13 20:37
ラノベの制約というのは面白い話ですね。

ラノベも10年くらい前までは結構多様な内容でしたし、成人した大人が主人公の物も少数ながらあったように思います。
(パッと思いついたので、ロードス島とかラグナロクとかリアルバウトハイスクールとか魔術士オーフェンとかのバトルファンタジーもの)

現在は、エロゲ・ギャルゲの影響からか、上で書かれたような主人公が活躍する恋愛要素の強い作品が主流になってきていますし、そういう作品が受け入れられているのでしょうね。
by : 名無し28歳 ... 2011/09/14 11:24
>名無し28歳 さん

ありがとうございます。
15年ぐらいからライトノベル読んでいますけど、逆に成年した大人の主人公ものはほとんど思いつきません。あんまり読んでないからか。ロードス島戦記は大好きですけど主人公は青年では?他の作品は読んでないですね。 聖エルザクルセイダーズも高校生だし、スレイヤーズもリナは自称美少女。星界の紋章も若いし。オーフェンも表紙絵をみたら若者みたいな? 銀英伝は成人だけど、あれライトノベルって言うのか難しいしなぁ。

現在の恋愛系、ただ登場人物がしゃべりまくっている系の日常系が主流なのは確かにより成人の活躍の場がないでしょうね。
by : ういろう管理人 ... 2011/09/17 22:22
はじめまして、ラノベには全くの素人です。本業は劇作です。版元から、高校演劇の入門書を書けと言われましたが、今時そんな本は売れません。そこで小説形式にし、少年少女向け小説を今は何というのかと聞くとライトノベルと聞きました。わたしの感覚では昔の小松左京や筒井康隆、井上ひさし、氷室冴子などもこの中に入ってしまいます。ラフな感覚で読める小説をみんなこう呼ぶのかと思っていたら、様子が違うようで、困惑しております。
私の作品は『女子高生HB』と『なゆた 乃木坂学院高校演劇部物語』といいます。「演劇ライトノベル」「高校ライトノベル」で出てきます。出版前のいわばβ版として出しております。ご一読頂ければ幸甚です。
by : 大橋むつお ... 2011/11/01 22:39
>大橋むつお さん

はじめまして。ライトノベルの定義は諸説もろもろあって、難しいですね。

氷室冴子さんあたりはそうだと思います。作品名だと他者になるのですが、ロードス島戦記やスレイヤーズとか、銀河英雄伝説も昔の作品から出すとラノベと呼ばれてもおかしくないと思います。

筒井康隆は、最近イラストレーターのいとうのいぢ と組んでラノベ挑戦とか雑誌(ファウスト)でやりました。

「なゆた 乃木坂学院高校演劇部物語」で検索してみたら、かなりの量ありますね。時間がありましたら読まさせていただきたいと思います。
by : ういろう管理人 ... 2011/11/10 01:54

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